5齢幼虫(拡大) |
地面や草木に這っているこの昆虫に遭遇された人々は目を見張り感嘆の声を上げます。「きれいね〜」、「すごいな〜」、「何?これ!」と言いながら写真を撮る衝動に駆られるようです。色彩、形状から見てこの昆虫のことを何も知らずに初めて出会ったとき、カメムシの仲間と思う人はまずいないでしょう。私たちが日頃よく見かけるカメムシの姿とはかなりかけ離れているからです。
実は、カメムシ類のなかでは超美麗種として認められているほどの美しさです。昆虫の中でも、その美しさは異彩を放ち、「超ウルトラスーパー美麗稀種」と大賛辞を送っている人もいます。 カメムシと言えば、あのとてつもない独特の嫌な臭いがしますね。このニシキキンカメムシは、よく集中して確認しないと分からないぐらいの臭いですから、さらに美しさを感じます。 |
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< 生育分布 > ニシキキンカメムシは、古処山の山頂付近一帯に生息しています。それは、食草となるツゲが山頂付近一帯に分布しているからです。全国的な分布を調べると、発見されている県は、福岡県・長崎県・鹿児島県・高知県・広島県・岡山県・兵庫県・和歌山県・愛知県・静岡県・東京都(奥多摩町)と少なく、また、その都県内のどこにでもいるわけではありません。局所的に生息しているのが特徴です。 |
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| なぜ局所的にしか生育していないのか、その理由は、食草のツゲが石灰岩の地層で育ちやすいという特徴があるからで、石灰岩の分布が局所的になっているからです。 古処山の山頂一帯は石灰岩で、ツゲが密集あるいは点在してニシキキンカメムシの生育地として申し分のない環境をしています。 ところで、ニシキキンカメムシは福岡県の準絶滅危惧種、国内最大級の古処山のツゲ原始林は国指定の特別天然記念物です。古代より、この2者はお互いの関係を自然のままに均衡に保ちながら現在に至っているようです。 福岡県内では他にごく近年発見された場所があります。それは背振山、英彦山の2箇所で、地質的には背振山はカコウ岩類、英彦山は安山岩類で古処山とは異なる地質です。食草としてのツゲの生育環境やニシキキンカメムシの食草の種類に研究の課題があるようです。 |
石灰岩に育つ山頂のツゲ 山頂付近のツゲの林 |
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< ニシキキンカメムシとの出会い > 初めての出会いは、1999年の10月下旬です。古処山の山頂付近の紅葉の写真撮影に行ったときに、9合目の付近の一般登山道を歩いていると、落ち葉のある地面を這っている2匹のきれいな色彩を放つニシキキンカメムシに遭遇したのでした。 |
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| 今から考えると、越冬をするために良い住処を探していたのでしょう。そのときは、中型カメラしか持っていなくて撮影はしませんでした。 その後、ニシキキンカメムシの撮影をするため数年おきに、その場所へ行くのですがなかなか見つかりませんでした。 2006年の今年は、時期を早めて9月23日に山頂付近に焦点を絞って調査を試みたところ、2匹に出会うことができたのです。さらに、那珂川町から来られ、ニシキキンカメムシの写真を撮ってきたばかりという時松さん、大江さんにわざわざ道を引き返し案内していただき、複数固体が密集しているニシキキンカメムシの撮影に成功したのです。 時松さん、大江さんのお二人には大変感謝をしています。ありがとうございました。 |
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7年ぶりに2匹に出会う |
体を寄せ合って生きる姿が可愛い(拡大) |
11頭が直射日光を避け葉の裏に(拡大) |
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< 生態 >
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<カメムシと人々との生活> カメムシといえば、独特の刺激臭を放ち、大発生すると果物などに大被害を与えているので、嫌がられ敬遠されていますね。全てのカメムシがそうであるというのではなく、約100種類ほどいるなかで、それはごく一部のカメムシです。 農作物に害を及ぼすカメムシは次の通りです。 |
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| ミカン・カキ・ナシ ・・・ クサギカメムシ、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ イネ ・・・・・・・・・・・・・・ アオクサカメムシ、クロカメムシ、コバネヒョウタンナガカメムシ 野菜 ・・・・・・・・・・・・・ ナガメ、ホソヘリカメムシ、ホオヅキヘリカメムシ その反面、農作物・園芸植物につくアブラムシを食べるハナカメムシ類もいます。人々にとっては、益虫となるカメムシもいるのです。 |
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< ニシキキンカメムシに学ぶ人生訓 > 山頂で体を寄せ合って生きる様子を見て 日常の生活の中に、ほのぼのとした温かさを大きく膨らませていきたい! |
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< ニシキキンカメムシの分類と名称 > 分類 目:カメムシ(半翅) 科:カメムシ 種: ニシキキンカメムシ 学名 Pecilocoris splendidulus Esaki 和名 ニシキキンカメムシ |