発刊にあたって

 『筑前町史』の刊行と同時に、その資料編として『筑前町の植物と動物』を上梓(じょうし)することができましたことは、まことに感慨の極みというほかありません。
 本町は緑豊かな美しい景観を誇っていますが、ここに生育・生息する動植物につきましては、これまで詳細な調査・研究がなさ れておらず、解説書の類も存在していませんでした。私たちが筑前町の歴史をたどる時、人々を育んできた環境、殊(こと)に身近な動植物についてその実態を知ることは、大変意義深いことといえるでしょう。
 本書を刊行するに当たりましては、斉城先生と飯田先生に調査と執筆をお願いいたしました。斉城先生は、以前「福岡県立夜須 高原記念の森」に勤務されていて、筑前町の植物に精通しておられます。飯田先生は、朝倉地方全域で長年、動物の調査・研究に 取り組まれており、現在、「朝倉生物研究会」の会長を務められています。お二人の先生は、平成二十四年度以降、筑前町域を自 ら隈なく調査しながら記録・写真撮影を重ねられ、膨大な資料を残されています。
 ここにその成果を『筑前町史』資料編として、豊富な写真とともにわかり易くまとめていただきました。本書が町内外の一般の 方々に親しまれ、また、小・中学校の参考図書としても広く活用されることを切に願っています。
 最後になりましたが、調査・執筆を担当していただきました両先生、また、調査に際してご協力をいただきました多くの方々に 心から感謝の意を表します。

   平成二十八年二月
筑前町教育委員会 教育長  大 雄 信 英


一、 本書は『筑前町史』の資料編として、「筑前町の植物と動物」をまとめたものである。
一、 本書は、利用者の理解を深めるため、写真を多用し、且つ、写真・図についてはカラーで掲載した。
一、 本文中に記載した本町の地区名等については、巻頭の「筑前町全図」を参照されたい。
一、 本書の執筆者に関する事項は、巻末に記載している。

背景は笠堤
 笠堤は城山丘陵の東裾部にあるため池。動植物が豊かで、景観が優れている。

表の鳥
 〈上〉クロツラヘラサギ (世界で生息数が約三〇〇〇羽の希少種。筑前町に毎年訪れている。)
 〈右下〉カワセミ(空飛ぶ宝石と呼ばれ、筑前町では多くのため池で観ることができる。)
 〈左下〉オシドリ(カモの中で最も美しく可愛い。町内一〇か所のため池で確認できている。)

裏の植物
 ナガエミクリ( 絶滅危惧T類。きれいな水域でしか観られない水生植物。筑前町にはこの希少な植物が群生している池がある。)