筑前町の自然(昆虫・野鳥・動物・ホタル・鴨・ため池・魚)


筑前町の自然

第二章 筑前町の動物

第一節 動物の生活環境

一 地理的環境
二 筑前町における生態系


第二節 生態系『川』の動物

一 水生動物にとっての川の環境
二 人々の心を癒すゲンジボタル
三 魚類今昔
四 川の水質の変遷
五 紹介しておきたい動物
六 川の恵み


第三節 生態系『ため池』の動物

一 本町のため池について
二 ため池の四季 〜笠堤〜
三 ため池に訪れるカモ類
四 紹介しておきたい動物
五 ため池の漁


第四節 生態系『水田と水路』の動物

一 水田の動物、今は昔
二 水田・水路の環境変化と動物
三 水田に住む生きた化石
四 紹介しておきたい動物
五 稲作の作業と動物
六 水路の動物


第五節 生態系『草原』の動物

一 夜須高原
二 目配山と砥上岳の草原
三 ため池堤防の草原
四 田畑土手の草原
五 川堤防の草原


第六節 生態系『森林』の動物

一 幻想の世界「ヒメボタル」の発光
二 キツネ(イヌ科)【準絶】
三 タヌキ(イヌ科)
四 アナグマ(イタチ科)
五 ニホンザルの出現(オナガザル科)【準絶】
六 昼に活動するイノシシ(イノシシ科)
七 作物の味を覚えたホンドジカ(シカ科)
八 姿を消したムササビ(リス科)【準絶】
九 紹介しておきたい動物
十 筑前町古代人の動物の狩り
十一 動物による農業被害の状況


第七節 各種生態系に訪れる動物


第八節 動物の生活環境の復活

一 ホタル舞う畑嶋の小水路
二 砥上のホタル復活の教訓
三 筑前町全域にホタルの復活を!


第九節 筑前町の絶滅危惧種ほか

一 哺乳類 ・ 二 鳥 類 ・ 三 爬虫類 ・ 四 両生類 ・ 五 魚 類 ・ 六 昆虫類 ・ 七 貝 類
八 昆虫にみる近年の変化


第十節 自然環境保全と動物調査

一 動物調査の基準例
二 具体的な動物調査の事例
三 筑前町の自然の宝物


引用・参考文献・調査協力者


執筆者略歴

第二章 筑前町の動物
飯田 大和
昭和十六年生まれ。
朝倉市環境審議会会長、朝倉生物研究会会長。
共著に『古処山の自然』(一九八七)、『宝珠山村誌 自然編』(二〇一〇)などがある。


発刊にあたって

 『筑前町史』の刊行と同時に、その資料編として『筑前町の植物と動物』を上梓(じょうし)することができましたことは、まことに感慨の極みというほかありません。
 本町は緑豊かな美しい景観を誇っていますが、ここに生育・生息する動植物につきましては、これまで詳細な調査・研究がなさ れておらず、解説書の類も存在していませんでした。私たちが筑前町の歴史をたどる時、人々を育んできた環境、殊(こと)に身近な動植物についてその実態を知ることは、大変意義深いことといえるでしょう。
 本書を刊行するに当たりましては、斉城先生と飯田先生に調査と執筆をお願いいたしました。斉城先生は、以前「福岡県立夜須 高原記念の森」に勤務されていて、筑前町の植物に精通しておられます。飯田先生は、朝倉地方全域で長年、動物の調査・研究に 取り組まれており、現在、「朝倉生物研究会」の会長を務められています。お二人の先生は、平成二十四年度以降、筑前町域を自 ら隈なく調査しながら記録・写真撮影を重ねられ、膨大な資料を残されています。
 ここにその成果を『筑前町史』資料編として、豊富な写真とともにわかり易くまとめていただきました。本書が町内外の一般の 方々に親しまれ、また、小・中学校の参考図書としても広く活用されることを切に願っています。
 最後になりましたが、調査・執筆を担当していただきました両先生、また、調査に際してご協力をいただきました多くの方々に 心から感謝の意を表します。

   平成二十八年二月
筑前町教育委員会 教育長  大 雄 信 英


一、 本書は『筑前町史』の資料編として、「筑前町の植物と動物」をまとめたものである。
一、 本書は、利用者の理解を深めるため、写真を多用し、且つ、写真・図についてはカラーで掲載した。
一、 本文中に記載した本町の地区名等については、巻頭の「筑前町全図」を参照されたい。
一、 本書の執筆者に関する事項は、巻末に記載している。

背景は笠堤
 笠堤は城山丘陵の東裾部にあるため池。動植物が豊かで、景観が優れている。

表の鳥
 〈上〉クロツラヘラサギ (世界で生息数が約三〇〇〇羽の希少種。筑前町に毎年訪れている。)
 〈右下〉カワセミ(空飛ぶ宝石と呼ばれ、筑前町では多くのため池で観ることができる。)
 〈左下〉オシドリ(カモの中で最も美しく可愛い。町内一〇か所のため池で確認できている。)

裏の植物
 ナガエミクリ( 絶滅危惧T類。きれいな水域でしか観られない水生植物。筑前町にはこの希少な植物が群生している池がある。)


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