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八 昆虫にみる近年の変化

減少化の昆虫類

 例えば夜間に、車を運転していると、以前はいろんな昆虫がフロントガラスにベタベタとついて困っていたが、今はそれが無い。有っても困るほどではない。それだけ、昆虫類の減少化が進んでいることを示す。昆虫の多い六月、ホタル調査や撮影のため夜間に山間部の主道路や林道を幾度となく通ったが、ワイパーを使うことは無かった。

 このことは、食物連鎖上にある他の魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類などの脊椎動物にも影響していることになる。原因は、ニコチノイド系農薬の使用も考えられている。


温暖化現象による新たな昆虫の土着一例

◆タテハモドキ(タテハチョウ科)
 絶滅危惧種と反対で、温暖化現象で土着した例である。以前は、沖縄や南洋諸島にしかいなかった亜熱帯の蝶である。台風などの風に運ばれて、迷蝶としてたまに九州に現れていた。近年になって九州南部に土着していたが、福岡県では、一九九〇年代に確認されていた。間もなくの二〇〇〇年に福岡市で土着が確認された。現在は、筑前町や近隣の市にも土着している。二〇一三年十月、久光(ソバの花)と、櫛木(セイタカアワダチソウの花)で確認をしている。

南方系のタテハモドキの土着(櫛木)


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