■筑前町の自然 TOP■
三 タヌキ(イヌ科)

 山間部から平野部まで、至る所に出現し、町内の全域に普通に住んでいる。タヌキは自分で巣穴を作ることはできない。他の動物が作った古い巣穴を利用したり、平野部では、水田の蓋のある側溝や土管に潜んでいることが多い。タヌキは自動車による事故死が多く、急に現れる自動車のヘッドライトの光に目がくらみ、竦んでしまったところを轢かれてしまうようである。

事故死したタヌキ(三箇山山隈線)
 食性は雑食で、動物ではカエルやカエルの卵・鳥や鳥の卵・ハツカネズミ・ヘビ類・昆虫類・魚類等々、植物ではカキ・銀杏・ビワ等の果肉、家庭から出された生ごみ、お堂にお供えした饅頭等も食べ、正に多種多様である。坂根では、畑に入れた有機肥料も食べる始末で、その時、野菜が傷つけられる被害も出ている。

 生活範囲に、家族全員で「ため糞」をする習性がある。石の上にピラミッド状に五〇cmと高いものがあることを聞いたが、どのようにして積み上げるのか、不思議で驚かされるそうである。久光で観察したため糞(下写真)には、柿の種とギンナンが混ざっていた。

ため糞(久光)

四 アナグマ(イタチ科)

 以前は絶滅危惧種に指定されていたが、近年急激に増え二〇一一年に発表されたレッドデータブックからはその指定が除外された。畑の農作物に被害を与え、長者町では呆れている民家もあるほどである。これは、イノシシやシカと同じように、人が作っている農作物が美味しいことを学習したからである。名称からも分かるように、巣穴を作ることには長けている。昼間、アナグマを見かける人も多くなっている。

アナグマの巣穴(城山丘陵)


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